【イーストタイムズ × CRRA】代表同士が語る、認知科学コーチングが組織にもたらす効果とは?

仲間と「超越した未来」を共有し、実現する組織へ
コーチングが共通言語となり文化を変える

組織の代表と他のメンバーの向かう方向性が揃わず、人が離れていってしまう。そんな悩みを抱える組織は少なくありません。

今回、対談をしたイーストタイムズの中野宏一さんと炭素回収技術研究機構(CRRA)の村木風海さんは、ともに組織づくりでの挫折経験から「イノベーション特化型コーチング」の導入を決めた経営者です。ライファヘッドに出会うまではコーチングをよく知りませんでしたが、今では組織全体が未来思考になり、コーチングによって形成された「限界を決めずに挑戦して良い」という組織文化が作り上げられていると口を揃えます。

代表二人の心を動かし、組織形成の根本の考え方を浸透させることができる、ライファヘッドの「イノベーション特化型コーチング」の価値について、対談を通して詳しくお伺いしました。

合同会社イーストタイムズ 
代表社員CEO ローカリティ!編集長
中野宏一氏

1984年、秋田県湯沢市生まれ。東京大学 法学部卒、東京大学 公共政策大学院修了。朝日新聞社にて校閲記者を3年間経験し、地域ニュースの可能性に気づく。現在、人々や企業の「価値」を抽出して掲げ、共感者を募り、ムーブメントを起こす「FR理論」をもとにした「FRCB(コーポレートブランディング)事業」と、地域の魅力を住民自身が発掘発信するメディア/スクール/関係人口創出事業「ローカリティ!」を展開する合同会社イーストタイムズのファウンダー兼代表。

一般社団法人 炭素回収技術研究機構(CRRA)
代表理事・機構長
村木 風海氏

2000年、神奈川県相模原市生まれ。山梨県甲斐市出身。化学者、発明家、冒険家、社会起業家。小学4年生のころから地球温暖化を止めるための発明と人類の火星移住を実現させる研究を行っている。「地球を守り、火星を拓く」のミッションを掲げ、気候変動を止める研究から人類の火星移住まで一貫して研究を行う独立系研究機関、一般社団法人炭素回収技術研究機構(CRRA)代表理事・機構長。 受賞・採択歴は、総務省異能vation、Forbes JAPAN「30 UNDER 30」、Forbes JAPAN 100など。

「超越した未来像を設定し実現する」
私たちがやってきたことを理論的にしたコーチングには説得力がある

ーーお二人が「イノベーション特化型コーチング」と出会ったきっかけからお聞かせください

(村木)2017年、総務省の「異能vationプロジェクト」が坂さんとの出会いです。その後、お話する機会をいただきましたが、コーチングは普段接するものではないので、お会いする前は少しの不安と疑いを持っていました。

実際に受けた時には、驚いたことが2つあります。まず、目標を立てる際に無意識に作っていた「思考の限界」の外側を考えられたことです。思考できる世界が広がり、固定観念が打ち砕かれる感じがしました。もとより人と比べると高い目標を設定し、逆算して行動をしていました。しかしコーチングを受けて、目標を立てたら、その一点しか見えなくなっていたことに気付き、坂さんとの対話の中で、自分の世界を何十倍にも「広く深く」考えることができるようになりました。

もう一つ驚いたのは、これまで困難を乗り越えてきた時に持っていた考え方と同じであることです。これは小学生のころの教育が関係していると思います。幼少期にセルフトークをすることを教えられ、周りから目標を肯定される環境にいたおかげでコーチング的な考え方に自然となっていたのだと思います。

(中野)坂さんは、以前の会社の先輩です。お互いに退職し、イーストタイムズを設立してからも、よく仕事の相談をしていました。まだ、イーストタイムズに役員しかいないような少人数の状態の時に、全員にコーチングを試すことになりました。

コーチングを始めたと聞いた時には、「怪しい世界に踏み込んだのか」と思いましたが、受けてみると村木さんと同様に「自分の考え方と近い」と感じました。

元々ゴール設定が異常に高いので「ゴール設定をもっと高く」と言われることはなく、独力で未来は切り開けると思っていました。しかし、コーチングを受けてみて、僕自身は意外と過去思考だと気付きました。強い未来を確信しているとともに、過去に強いブレーキをかけられています。坂さんのコーチングを通して、徐々に過去との切断に奮闘している最中です。

ともに組織が崩壊しかけた体験も。
仲間と超越した未来を共有する組織への変革

ーー「イノベーション特化型コーチング」を組織として導入しようと思った決め手は何でしょうか。

(村木)1年ほど前に、一気に研究員の約3分の1が辞めた時期がありました。僕自身がとてつもなく高い目標を立てる気質なので、コーチング的な考え方に慣れていない仲間は「ついていけない」という雰囲気になってしまうことがありました。

坂さんとのコーチングの際に、僕の考え方を理解してもらえるような「共通言語」を作った方がいいと気付き、コーチングを会社に取り入れることにしました。

(中野)僕も仙台時代の組織づくりに失敗して、全員が離れていってしまった苦い思い出があります。村木さんと同じように僕が言っていることに他のメンバーが「ついていけなくなった」と感じました。皆で同じ方向を向ける組織にしたいと考えてコーチングを導入することを決めました。

ーーどの程度の頻度で活用されていますか。

(村木)僕は高校生の頃から月1回受け続けています。現在は、幹部クラスの研究員が2ヶ月に1回、その他の研究員は入社3ヶ月後から3ヶ月間受けてもらっています。また、月1回全社向けコーチングワークショップを受けています。加えて、今後さらに伸びてほしいなと思う研究員や、やる気のある研究員を僕が指定して受けてもらうこともあります。

(中野)導入方法は概ね一緒ですが、僕は週に1回受けています。また、村木さんとは反対に「ゴールが落ちかかっている人」を指名して、特別にコーチングを設けてゴールを再設定してもらうことがあります。

全員がコーチングを受けたことにより、「共通の価値観」ができました。今のイーストタイムズは、お互いにその言い方良くないよねとか、あり得ない目標をいう人に対しても「それいいね」と言う文化ができていて「会社の文化づくり」にも寄与してると言えます。

組織と個人の目指す未来を、ともに実現する
みんなが前をみて挑戦する組織は強い

ーー組織として導入して、変わった点についてお聞かせください。

(村木)CRRAは年齢層が15歳から64歳と幅広く、経験値は異なりますが、毎月のコーチングを貪欲に学ぼうと心待ちにしている会社の雰囲気になっています。

コーチングを重ねると、特に歳上の方が精神が若返り、「そうだ、昔やりたいことに蓋をしてきてしまったけれど挑戦していいんだ」と思えている感じが伝わってきます。また、これまで表面的にしか理解していなかった僕の考え方への理解がすんなりとできるようになりました。

(中野)コーチングの考え方が社員に浸透したことで、逆に僕が「それ過去思考ですよ」と注意されることも多々あります。みんなで導き合える環境になりました。

組織の作り方も坂さんのコーチングから学んだと言えると思います。個人のゴールと会社のゴールの総体をベースに会社を作る。この考え方を共通の価値観として持っている組織は、変化や多様性に対しても強く、全員が前を見て挑戦できるようになります。

(村木)確かに、組織づくりには参考になったことばかりでした。今いる人たちのゴールだけではなく、新しく人が入ってきたら、会社のゴールもそれによってアップデートされていく感覚です。新しい研究員にとって強くやりたい、やるべきだということがあれば、新しい部署を新設するということも往々にしてあります。

現状の積み上げではなく、未来への挑戦で社会を前進させたい方へ

ーー「イノベーション特化型コーチング」は、どのような組織が導入すべきでしょうか。

(村木)特に、創業から間もないスタートアップの人たちです。大手企業と比べ、不安定で労働の割には待遇があまり良くないこともありますが、熱量があり、目指す未来をともにしやすいです。しかし、同志のなかで考え方がぶれるとすぐに瓦解してしまう弱さもあります。僕自身、CRRAの前身の組織の時には、役員からクーデターにあったことも……。

目指す方向性をともにするため、スタートアップ時は、気が回りにくいと思いますが、おすすめの選択肢です。

(中野)その通りだと思います。創業間もない頃はお金もないと思うので、役員までという導入方法もあるでしょう。

そして、会社名「ライファヘッド」は「人類を前進させたい」という思いで作っていると聞いたので、「現状の積み上げではなく、新しいことに挑戦して社会を前進させたい」という思いがあれば、どんな企業でもおすすめしたいです。